ミュンヘン国際音楽セミナー提携 ACROS FUKUOKA国際音楽セミナー2025

世界への第一歩は、ここ、福岡から!
実施の背景

未来の音楽家をアクロスから世界へ羽ばたかせたい
アクロス福岡 事業部 プロデューサー
小牧 達彦さん
「アクロス福岡」では開館当初から音楽家の育成に力を入れてきました。30年以上続くヴァイオリンセミナーは、2025年現在、受講生が100名を超え、なかには九州交響楽団をはじめ、プロオーケストラに所属する音楽家もいます。プロへのステップアップとなるセミナーをヴァイオリン以外でも実施したいと考え、30周年記念としてスタートしたのがヴァイオリンとピアノの2コースからなる「ACROS FUKUOKA国際音楽セミナー2025」です。
立ち上げにあたって、福岡出身の小長久美さんが主宰する「ミュンヘン国際音楽セミナー」と提携しました。小長さんはミュンヘンを拠点に、一流の音楽家からレッスンを受けられるアカデミーを開設・運営されています。近年、コロナ禍や円安もあり、音楽を学ぶ学生たちの海外留学へのモチベーションは以前ほど高くありません。そんななか、福岡にいながら一流の音楽家から学べる機会をつくりたいと、セミナーを企画しました。
本事業について

たくさんの対話が生まれ、人と人の繋がりが広がるように
ミュンヘン音楽学院長・音楽学者・芸術文化学博士
小長 久美さん
私は音楽家として活動したのち、日本やドイツの大学で10数年以上もの長い間、音楽の研究に没頭してきました。研究を続けながら、私の経験や学びを誰かと分かち合いたいと思い、2009年、一流の講師からレッスンが受けられる音楽セミナーをスタートしました。第1回はミュンヘン国立音楽大学の主任を講師に迎え、受講生は日本人の14人だけ。しかし今では、世界40カ国以上から年間100人以上の受講生が集まるアカデミーに成長しています。
音楽を勉強するということは人間を知ることです。自分を閉じていたら、周りの声は届きません。ミュンヘンのアカデミーは現地の人と対話して広く人間を知る場、さまざまな人と繋がる場となっており、そのアカデミーの精神を引き継いで、福岡でもセミナーが実施できればと考えています。お客様と音楽家、先生と生徒だけでなくみんなでつくり上げる音楽の場ができると、人の輪が広がり、街が変わっていくのだと思っています。
受講生の声

自分の音楽の軸を形成する、
ベストなタイミングで受講できました
土肥 慶さん(ピアノコース)
講師のシーララ先生はベートーヴェンを得意とする演奏家で、私もベートーヴェンが好きであり、これから古典音楽を勉強したいと考えて今回のセミナーを受講しました。シーララ先生のレッスンは音楽の核の部分を伝えてくれ、音楽の本質を学べていると感じます。自分の中でモヤモヤしていたところが明確になり、音楽に対する考え方が変わりました。
シーララ先生は「このように弾くと弾きやすい」というような技術を教えるわけではありません。「この曲はこのように表現すると音楽がよりはっきり聞こえます」と本質を教えてくださいます。指摘の全てが繋がっている。そういった繋がりを見いだせるところが興味深く、楽譜の読み方も深く学べました。将来に向けて自分の音楽の軸をつくりたいと考えていたタイミングで、シーララ先生に習えたのは有意義でした。これから研鑽を積んで、音楽を本質の部分まで伝えられる音楽家になるのが夢です。


講師からのメッセージ

自分のやっていることを諦めず、
自分の道を見つけてほしい
ピアニスト/ミュンヘン国立音楽大学 ピアノ科教授
アンティ・シーララ
今回の受講生のみなさんはポジティブで、とても良い印象を受けました。一つ一つの所作が丁寧で美しく、心が込められていて素敵だと思います。私がレッスンで心掛けているのは「学生を助ける」こと。何か引っかかっていることがあるなら、その問題が見つかるよう助けたいと思っています。一人ひとり弱点や長所はあるものだし、それを持ちながら音楽の道を進めるように、道を邪魔しているものがないかを見つけ導くことを心掛けています。
音楽家に欠かせない資質は、「我慢強いこと」「諦めないこと」です。自分なりの方法で、自分の望む舞台に立つための道を探し、聴きに来てくれるお客様と音楽を通してどのように対話するか――時間もかかりますし、方法も一つではありません。処方箋はないし、誰かのコピーもできません。いろんなことに挑戦してみて、自分だけの道を見つけてほしいと思っています。難しい道ですが、諦めずに続けて、自分で道を見つけられるよう応援しています。
今後の展開について
本セミナーをプロとして活躍するステップに
セミナーにはアメリカやタイ、韓国など海外からも受講生が集まりました。ピアノコースは20代前半が多く、最年少は14歳で最年長が25歳。ヴァイオリンコースは中学生が多く、9歳から35歳までの方に参加いただきました。受講生は事前に指導を希望する課題曲を提出し、先生にご指導いただいています。セミナー修了後はアクロス福岡シンフォニーホールでコンサートを開催し、ウィーンフィルの本拠地である楽友協会大ホールと同じ「シューボックス型」のホールでの演奏を体験しました。



福岡にいる若手音楽家は、東京の音楽大学に進学することがほとんどですが、近い未来、「プロになって福岡に帰りたい」と思える環境をつくれたら、と考えています。アクロス福岡のコンサートで彼らの存在を知ってもらえたら、きっとファンも増えるでしょう。ほかのホールの関係者の目に留まれば演奏の機会も増えます。音楽家の育成に加えて地元でも仕事ができる環境づくりに力を入れ、ここアクロス福岡を通じて“本物”のプロになる道筋が開ければと願っています。(アクロス福岡 担当者)
概要
実施内容
ドイツのミュンヘン国際音楽セミナーとの提携により、一流の教授やソリストたちを講師に迎え、講師陣による厳正な審査を通過した受講生たちが、世界レベルのレッスンを受講。セミナー終了後は福岡シンフォニーホールで修了コンサートも実施。また、演奏家としても活躍する講師陣によるコンサートも開催されました。
提携
ミュンヘン国際音楽セミナー
日程
- マスタークラス(聴講可/入場無料)
- ピアノコース 2025年7月22日(火)~25日(金) 1人1レッスン60分✕3回
- ヴァイオリンコース 2025年7月28日(月)~7月31日(木) 1人1レッスン45分✕3回
修了コンサート(聴講可/入場無料) 福岡シンフォニーホール
- ピアノコース(7名) 2025年7月26日(土)13:30~15:30
- ヴァイオリンコース(11名) 2025年8月1日(金)13:30~16:45
講師によるコンサート(全席自由/有料) 福岡シンフォニーホール
アンティ・シーララ/キリル・トルソフ アフタヌーンコンサート
7月27日(日)15:00
講師
アンティ・シーララ(ピアノ)
豊かな響き、フレーズ感、知的な構築力をもって同世代を代表するフィンランド出身のピアニスト。1997年にウィーンでのベートーヴェン国際ピアノコンクールにおいて史上最年少で優勝したのを機に、ベートーヴェン作品に重点を置くレパートリーで国際的にデビュー。2003年リーズ国際ピアノコンクール優勝。ミュンヘン国立音楽大学ピアノ科教授。
キリル・トルソフ(ヴァイオリン)
ユーディ・メニューインにその才能を早くに見いだされた、国際的に最も注目されているヴァイオリニストの一人。ヴェルビエ音楽祭室内オーケストラとのアジアツアー、BBCプロムスでの圧巻のパフォーマンス、種々の国際コンクールでの審査が近年のハイライトを飾る。使用楽器は 1702年製ストラディヴァリ。