アクロス福岡ヴァイオリンセミナー

音楽家に必要な資質を学び、プロとして羽ばたく
本セミナーの意義

1年をかけて技術や音楽性、表現力を養う
アクロス福岡
事業部 事業グループ 芸術文化チーム
須佐 菜々美さん
アクロス福岡が開館して間もない1996年から始まった「ヴァイオリンセミナー」は、これまでに約100名が受講し、修了生は九州交響楽団や読売日本交響楽団の楽団員をはじめ、国内外で演奏活動を行うプロの演奏家として活躍しています。指導にあたるのは、これまで多くの若者を指導してきたヴァイオリニスト・景山誠治さん(桐朋学園大学教授)です。
この歴史ある「ヴァイオリンセミナー」の特長は、単発のセミナーとは違い、1年12期にわたって演奏技術だけでなく音楽家として大切な音楽性や表現力などを継続的に学べること。主に小学生から高校生まで、幅広い年齢層の受講生が、いつかプロの演奏家としてステージに立つことを志して学んでいます。
講師からのメッセージ

まずは受講生が自信を持てるように、言葉や表情で伝える
ヴァイオリニスト/桐朋学園大学教授
景山 誠治さん
受講生の皆さんは1年をかけてじっくり学ぶことで大きな成長を遂げます。はじめは1曲を通して弾けなかった受講生も、セミナーを修了する3月には、アクロス福岡のステージに立ちお客様の前で立派に演奏できるまでの実力がつきます。 指導するうえで大切にしているのは、受講生に自信を持ってもらうこと。精神面と技術面は切り離せないので、自信がないと伸びるものも伸びません。また、ヴァイオリンを“やらされている”と思ったら気分ものらないし、興味もわかないものです。まずは受講生が自信を持って演奏できるように、指導する時は言葉や表情に心を配っています。
常にこの素晴らしいステージに立つイメージを持ち、自分の道を進んでほしい
修了時には世界的にも素晴らしいコンサートホールの、福岡シンフォニーホールで演奏ができます。これはこのセミナーならではの体験でしょう。プロの演奏家になるためには、謙虚な気持ちを持ちながら自信を失わず、その時にしか聴きに来られないお客様のために、自分の音楽を表現することが大事です。ホールの音の響き、自分がステージに立って演奏するイメージを忘れずに、今後にいかしてほしいと願っています。 そして受講生には「プロを目指したい」という気持ちを常に持っていてほしいのですが、必ずしもみんながプロになれるわけではありません。ただ、プロにならなくても、音楽を好きでいてほしい。今はSNSで自分から発信もできるし、他の仕事をしながら演奏活動を続けている人もいます。決して諦めないで、演奏家を目指してもらえればと思います。(景山さん)
受講生の声

自分の伝えたい音をお客様に届けられる演奏家になりたい
出口 結唯さん
(取材時:中学校1年生)
お母さんからこのセミナーをすすめられて、熊本から通うようになって3年目になりました。セミナーを通して変わったのは、ただ弾く、自分の思った通りに好きに弾くのではなく、作曲家のことを考えながら弾けるようになったことです。景山先生に作曲家についても教えていただいて、曲を書いた時のこと、どんな想いで曲をつくったのかなどを考えながら自分の想いものせると、弾き方が変わってきました。
景山先生から「素敵な演奏をしてください」と言われた言葉が、今でも心に残っています。演奏を楽しみながら、お客様に自分の伝えたい音をしっかり伝えられるような演奏をしようと思うようになりました。今後は、私の演奏を聴いた人に喜んでもらい、私の演奏をまた聴きたいと思ってもらえるようなヴァイオリニストになりたいです。

音楽へのアプローチの仕方を、これからの人生にもいかしていきたい
濱里 杏さん
(取材時:インターナショナルスクール11年生)
このセミナーの修了生でもあるヴァイオリンの先生に勧められて、小学校6年生の時に初めて受講しました。実はその頃、「これ以上成長できない」と、ヴァイオリンをやめようと思っていたんです。受講してみると自分でもびっくりするくらいに実力がついて、それから3回受講しました。
先生の指導がない1ヵ月と、ある1ヵ月では、成長の度合いが違います。景山先生の指導は、これまで習ってきたこととは全く違うアプローチの仕方でした。ただ弾くのではなく、課題曲の時代背景や作曲家のことを知り、指やポジションの練習をするなど、表現方法や効率の良い練習方法を知ることができました。また、最初に完璧じゃなくても課題曲を通して弾き、どのように弾きたいのかを、先生が一緒に考えてくださったのも嬉しかったです。このセミナーで学んだ、音楽へのさまざまなアプローチの仕方、多角的なものの見方を、これからの生活にもいかしていきたいと考えています。








今後の展開について
演奏家として活躍するために必要なプロセスを学ぶ機会
セミナーでは1期が終わるごとに、受講生の皆さんに振り返りを提出していただきます。はじめは自分のことで精いっぱいでも、レッスンを重ねるごとに自分の演奏を客観的に見られるようになり、演奏も変化していきます。また、長期にわたって技術や客観性、音楽性、表現力を培いながら、プロとして活動する際の疑似体験ができるのも強みです。演奏家が表舞台で活躍するためにどういうプロセスがあるかを学び、演奏家を支える様々な方のサポートを知り、その重みをかみしめてステージに立つことは他では得られない経験です。ここでの学びを糧に、いつかプロの演奏家として羽ばたいていってもらうことを願っています。(須佐さん)
概要
令和7年度(第30期)アクロス福岡ヴァイオリンセミナー
実施内容
プロの演奏家を目指している方を対象に、毎年4月から翌年3月まで1年を通して実施している。受講生は勉強したい曲を講師と協議して決定し、演奏技術だけでなく音楽家として大切な音楽性や表現力などを学ぶことができる。3月の修了期にはアクロス福岡で受講生修了コンサートを開催。受講生がプロと同じステージに立ち、セミナーで学んだ成果を披露する。
受講期間
2025年4月~2026年3月
レッスン時間
全12期
(1期:1人1回45分×2日)
実施形態
個人レッスン
講師
ヴァイオリニスト/桐朋学園大学教授 景山誠治さん
東京藝術大学首席卒業。第46回日本音楽コンクール入賞、海外派遣コンクール松下賞、ヴィエニャフスキ国際コンクール入賞、1984年ロン=ティボー国際コンクール最高位などを受賞。これまでにルツェルン祝祭管弦楽団、ベルリン・コミッシュオバー・オーケストラ、シモン・ボリバル・オーケストラと共演。日本でも主要オーケストラにソリストとして招かれるとともに、リサイタル、室内楽など多くの演奏会に出演して成功を収めている。アクロス福岡では定期的なマスタークラス「アクロス福岡 ヴァイオリンセミナー」にて若き才能の発掘にも力を注ぐほか、1998年〜2002年「アクロス福岡室内楽セレクションシリーズ」、2004年から「アクロス弦楽合奏団」の中心メンバーとして参加。現在、桐朋学園大学教授。
スプリングコンサート(受講生修了コンサート)
実施日程
2026年3月15日(日)13:00開演
演奏
受講生7名
ピアノ
橋本瞳里さん(桐朋学園大学弦楽器嘱託演奏員)